はじめに
現在、わが国では、1. GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった社会課題を成長へのエンジンに転換するとともに、2. 企業が収益を上げて、労働者にその成果をしっかり分配し、消費が伸び、さらなる経済成長が生まれる好循環を創出することを目的とした経済政策「新しい資本主義」が、官民を挙げて推進されています。
その実現のためには、個々の企業における取組はもちろんのこと、サプライチェーン全体での付加価値創出や生産性向上、下請取引の適正化、価格転嫁の促進が必要です。
商工会議所では、「パートナーシップ構築宣言」をそのための最重要ツールと位置付け、普及促進と実効性向上に向けた取り組みを推進しています。
パートナーシップ構築宣言とは
- サプライチェーン全体での付加価値向上のために、企業間で連携して取り組む具体的な内容
- 適切な価格転嫁のために、企業間で遵守する具体的な取引慣行
の2点を各企業が宣言・公表し、その輪を広げることで、社会全体で成長と分配の好循環を実現する運動です。
パートナーシップ構築宣言は、下請中小企業の経営基盤の強化などを目的とした「下請中小企業振興法」の下によるべき一般的な基準として定められた「振興基準」を踏まえて、そのひな形が策定されており、取引適正化などに向けた各社の宣言を政府が裏付け・下支えする構造になっています。
2020年に開始されて以来、宣言社数は2万社に迫っており(2023年3月20日現在)、宣言した企業では、サプライチェーンの中で、グリーン化、リサイクル、EDI(Electronic Data Interchange:取引情報の電子データ交換)の導入、 BCP(Business Continuity Plan/ 事業継続計画:大規模災害などの危機が発生した際に、事業を継続・早期復旧させるための計画)の策定など、企業単体では解決が難しい課題に対しても企業間の連携による取組が進捗しています。
パートナーシップ構築宣言登録のメリット
宣言が登録された企業はロゴマークを使用して適正な取引を行う“ホワイト企業”であることをPRできるとともに、国の補助金で加点措置を受けることもできます。
政府では、今後、加点措置を受けられる補助金を増やしていく方針で、加点措置を受けられる補助金やその応募方法は、パートナーシップ構築宣言のポータルサイトから確認することが可能です。
ぜひ、各社の積極的な登録をお願いします。