彦根市は10月28日から彦根駅・彦根城間で、時速20km未満で走る電気自動車を運行するサービス「グリーンスローモビリティ」の社会実験を実施している。
2015年に採択されたパリ協定に基づき、21世紀後半には温室効果ガス排出の実質ゼロが国際的枠組みの目標になっている。日本ではこの低炭素社会の実現のために「環境・経済・社会の統合的向上」を具体化した取り組みが求められている。国土交通省ではこの考え方に基づき、高齢化が進む地域での交通の確保や観光資源になる新たな観光モビリティの展開など、地域の様々な交通課題の解決と地域での低炭素型モビリティの普及を同時に進められる「グリーンスローモビリティ」の導入を推奨している。
彦根市は環境負荷が少ないこと、開放的で景色を楽しみながら移動できること、乗降がしやすいことなどから、新たなモビリティサービスとして活用することで、世界遺産登録を目指す彦根城周辺地域における様々な交通課題の解決につながるとして、グリーンスローモビリティの社会実験を実施。
彦根市が運行している電気自動車は全長4295mm、全幅2000mm、全高2425mmの10人乗り。最高速度は時速19km。ほかに5人乗りのもう1台も運行している。
運行期間はひこねの城まつりパレードがある11月3日を除く11月12日までの15日間。彦根駅西口から市役所前を経由し、二の丸駐車場までの片道約8分間。2台走行する予定。運行時間は午前9時頃から午後5時頃までの平日が25分ほどの間隔、土日が15分ほどの間隔で往復運行する計画。乗車無料。
彦根市は社会実験で、ほかの走行車両に与える影響などを調べ、その結果を見て導入の是非を判断する。