水陸様々な交通インフラを通して滋賀を支える近江鉄道グループ。特に彦根の地は古来より湖上交通の要として栄えてきた。地元に生まれ育ち、「大きくなったら船長になる」という小学生の頃からの夢を叶えた近江トラベル株式会社(オーミマリン)西尾昌良船長に話を伺った。
父の背を追いかけて
私の父は元々丸子船の船乗りとして琵琶湖の水運を担う、なくてはならない仕事をしていました。その後、私が小学生の頃にオーミマリンに入社し、小型船に乗っていました。当時は松原のあたりも船が往来しており、後に父が解体時にも携わることとなった松原回転橋(橋が回転し、航路を開けることのできる橋)を遊覧する船の情景は今でも心に残っています。
幼い頃からそんな姿に憧れていたので、一度は一般企業に就職したものの、夢をあきらめきれずに26歳で同社へ入社しました。そこからは必死で勉強し、30歳で船舶免許を取得して現在は船長を務めております。
現在の仕事について
主に彦根港から竹生島、多景島といった定期便や、桜や花火大会などに合わせた時季限定便の運航をしています。
後輩によく言うのですが、この仕事で一番重要なのは「風と友達になること」です。湖上の天候は変わりやすく、急変することもしばしば。365日同じ日はないので、流木を避けたり、風を読みながら出来るだけ揺れのない運航を心がけています。安心して船の上から見える景色を楽しんでもらって、良い思い出を持って帰ってもらえる。それだけでも嬉しいのですが、自分の運航する船を目当てに再乗船してくださるお客様もおられ、感謝を伝えていただけることがやりがいに繋がっています。
今後について
乗客は県内外や海外からの観光客が殆どですが、船上コンサートや、会議など、もっと地元彦根や県内の皆さんにも乗船してもらえたらと思っています。
琵琶湖は毎日顔が変わります。そんな姿をぜひ見ていただければと思っています。
土日祝日は彦根城を湖上から眺めることのできるミニクルーズ便や、企業向けの貸し切り船もありますので気軽に楽しんでいただけたら嬉しいです。また、現在彦根城を中心とした誘客は数多くありますが、彦根港周辺に、もっと人が集うような取り組みを実施して賑わいが生まれたら素敵ですね。
この機会にご乗船を!
2025年の国スポ・障スポの開催や、2027年の彦根城世界遺産登録など、今後さらに彦根は注目を集めることになります。
市民の方に琵琶湖の魅力を知ってもらうため、オーミマリンでは6月・7月に「彦根市民限定 特別乗船」を企画されました。ぜひご利用ください。