東高新聞第510号を手にする新聞部員たち

滋賀県高等学校等教育研究会学校新聞研究部会などは、第45回県高等学校学校新聞コンテスト審査会を開き、最優秀賞の知事賞に県立彦根東高校の新聞部の新聞が選ばれた。東高新聞部の最優秀賞は42年連続42回目。10月29日に米原市の県立文化産業交流会館で表彰式があった。
東高新聞部は10月18日付で16ページの第510号を発刊。「彦根マラリア 過去の感染症から学ぶ」「18歳成人 私たちに与える影響」「福島をつなぐ2021 今を知り未来に活かす」「限界集落 今地域のためにできること」の4つの特集記事を掲載した。
そのうち「彦根マラリア」のページでは、戦後の昭和20年代に彦根市内でまん延したマラリアについて、当時を知る市民らへのインタビューを取り上げながら、現代の新型コロナと同様、マラリアで苦しんでいた市民の様子を紹介。
長曽根町歴史勉強会のメンバーに取材した内容として、「琵琶湖とのつながりが断たれ、3つのお堀の水が循環しなくなったため、汚い沼地と化し、マラリアを媒介する蚊が大量発生した」「1949年にマラリア五カ年計画が策定。彦根に帰ってきた元日本兵など職がなかった人たちの失業対策事業を兼ねて、堀が埋められた」と解説している。
また当時を知る長曽根町の84歳の男女2人へのインタビュー内容も掲載。「外堀は田舟50艘程度を流せる幅があったが、生活排水がそのまま流され、衛生環境は悪かった」「昔は消毒液がなく、対策法をなくて、自分たちで対策するしかなかった。今はワクチンもあり、このような環境は幸せだと思う」との言葉を載せている。
「限界集落」のページでは、多賀町の桃原(もばら)地区に焦点をあて、かつて栽培されていた桃原ゴボウの再興活動をしている「桃原プロジェクト」を取り上げながら、多賀町のまちおこしに取り組み住民たちにインタビューしている。