新型コロナウイルス感染症の拡大から間もなく2年が経過しようとしていますが、未だ終息の兆しは見えず、多くの中小・小規模事業者、個人事業主が大きな影響を受けています。昨年末より政府は様々な施策を予算化し公表していますが、今回は特に注目されている「事業復活支援金」と「賃上げ促進税制」について紹介します(2022年1月27日時点の情報に基づきます)。


事業復活支援金

新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、地域・業種を限定しない形で、来年3月までの見通しを立てられるよう事業規模に応じた支援金を支給する制度です。
これまで「一時支援金」「月次支援金」が設けられていましたが、これらと同様コロナ以前と比べ売上高が一定以上減少した企業等に対し、売上の減少分に応じた支援金が給付されます(1月31日より申請受付開始、5月31日申請受付終了)。

対象者

新型コロナの影響で、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上または30%以上50%未満減少した事業者(中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主)が対象となります。

売上高
減少率
個人法人
年間売上高
1億円以下
年間売上高
1億円超〜5億円
年間売上高
5億円超
▲50%以上50万円100万円150万円250万円
▲30%〜50%30万円60万円90万円150万円

*基準月(2018年11月~2021年3月の間で売上高の比較に用いた月)を含む事業年度の売上高

算出式

給付額は左記で定めた上限額を超えない範囲で、「基準期間*1の売上高」と、「対象月*2の売上高」に5を掛けた額との差額

給付額=(基準期間*1の売上高)−(対象月*2の売上高)×5

*1:2018年11月~2019年3月、2019年11月~2020年3月、2020年11月~2021年3月のいずれかの期間のうち、売上高の比較に用いた月を含む期間
*2:2021年11月~2022年3月のいずれかの月

例えば、2019年度の売上高が1,000万円の中小企業において、2019年11月(基準月)の売上高が100万円に対し、2021年11月(対象月)の売上高が50万円に減少した場合、売上高減少率は50%となり支援金の対象となります。
また基準月を含む2019年11月~2020年3月(基準期間)の5ヶ月間の合計売上高が400万円であった場合、給付額は400万円-50万円×5=250万円となりますが、上限額を超えますので100万円が支給されます。
申請書類や申請方法などの詳細は、下記解説動画・ウェブサイト(概要資料・申請要領等)をご確認ください。


賃上げ促進税制

新型コロナの影響で悪化した雇用の改善を促し、従業員の人材育成に積極的に取り組むよう、令和4年度税制改正大綱の目玉として盛り込まれています。中小企業に対しては、給与支給額や教育訓練費を所定割合以上に増額した場合に、雇用者全体の給与等支給額の増加額の最大40%を税額控除するとしています。
以下は令和3年12月の政府決定時点のもので、今後の国会審議等を踏まえて施策内容が変更となる可能性があります。詳細情報は令和4年5月頃を目途に公表される予定ですので、ご注意ください。

適用対象

青色申告書を提出する中小企業者等

  • 資本金等が1億円以下又は従業員数が1,000人以下の法人
  • 従業員数が1,000人以下の個人事業主、等

適用期間

令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する各事業年度
(個人事業主は、令和5年から令和6年までの各年が対象)

必須要件追加要件

雇用者全体の給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加
⇒ 30%税額控除*

or

雇用者全体の給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加
⇒ 15%税額控除*

教育訓練費が前年度比で10%以上増加
⇒ +10%税額控除*

*税額控除上限:法人税額又は所得税額の20%


詳しくは、彦根商工会議所 TEL.0749-22-4551までお気軽にお問い合わせください。