彦根市の稲枝アスパラ生産組合が生産するアスパラガス(愛称=ひこね夢アスパラ)の収穫が最盛期を迎えており、市内外での販売も始まった。
稲枝地域では戦後から約20年間、新海町などでホワイトアスパラガスが作られていて、最盛期には25ヘクタールの敷地で「缶詰加工用」が生産されるほどの名産品だった。その後、海外産の大量輸入の影響で姿を消したが、2016年から再び薩摩町などで作られ始めている。
1988年からは主流のグリーンアスパラの栽培が稲枝地域で始まり、稲枝アスパラ生産組合が「ひこね夢アスパラ」と名付けて各自のビニールハウスで生産している。
今年は稲枝アスパラ生産組合の3人の生産者が計約7000平方メートルのビニールハウスで栽培している。好天が続いたことで収穫時期が早まっており、生育も上々だという。ひこね夢アスパラは化学肥料をほとんど使わず、牛ふんや油かすなど有機質肥料を使って自然に近い環境で作っているため、生で食べても甘い味だという。
3月下旬から5月中旬までの春と、6月中旬から8月初旬までの夏に収穫し、計3トンの出荷を見込んでいる。JA東びわこの4カ所の直売所で販売するほか、学校給食などにも出荷している。
本庄町の農家の一人は「最近は好天が続いたことで、甘みが十分にあり、生育は上々。多くの方に自慢のアスパラガスを味わってほしい」と話していた。