フルーツパウダーに花粉を入れる生産者

彦根市石寺町の彦根梨園の花が満開になり、生産者が専用車に乗りながら授粉作業に追われている。
彦根梨は彦根梨生産組合の農家18戸が約11ヘクタールの面積で栽培しており、彦根の特産品として人気を集めている。樹上で完熟した状態で収穫し販売するため、一般的な梨と比べて糖度が高いのが特徴だ。
授粉作業は当初、授粉毛や人工交配機を使って、10アールあたり3人で3時間ほどかけて行っていた。

専用車を動かして彦根梨の花に授粉させる作業

彦根梨生産組合は大幅な作業時間の短縮と人件費の削減を目的に、3年前に「フルーツパウダー」と呼ばれる花粉噴射機を導入。フルーツパウダーを噴霧する専用車のスピードプレイヤーに装着し、彦根梨の花に石松子(せきしょうし)を混ぜた花粉を噴霧する作業方法で、この結果、1人で30分ほどの時間で作業を完了できるようになった。
授粉作業をしていた彦根梨生産組合の農家の一人は「今のところ生育は順調。大きく形の良い梨を作りたい」と話していた。
今後は5月頃から摘果作業を行い、8月中旬に「幸水」、9月上旬に「豊水」を収穫、販売する。