夢京橋キャッスルロードの様子(2022年4月23日撮影)

彦根市は2021年の「観光に関する経済効果測定調査の報告書」を発表した。観光客数は前年と同数の90万人だった一方、観光消費額が前年比15%減の67億円、経済波及効果が前年比40%減の88億円など、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ。
彦根市は、彦根城築城400年祭が行われた2007年(同年は400祭期間の250日のみ)以降から滋賀大学経済学部に調査を依頼し、調査を実施しなかった2014年と2015年を除いて毎年翌年のこの時期に「観光に関する経済効果」を公表している。

宿泊費大幅増も飲食など減

  観光客へのアンケートデータから、彦根観光における宿泊客の一人あたりの消費金額は2万0466円、日帰り客の一人あたりの消費金額は3130円。宿泊費が前年の7835円から1万2942円と大幅に増加した一方、日帰り客の飲食費(1526円→12911291円)と土産購入費(1163円→950円)が減少した。
彦根市]]に来訪した観光客数90万人のうち、宿泊客は23万人(前年29万人)、日帰り客は67万人(同61万人)と推計。両方を合算すると、交通費2億円、宿泊費29億円、飲食費17億円、土産購入費12億円、そのほか7億円で、観光客の消費総額が67億円と推計した。また観光消費による経済波及額が88億円(同147億円)、雇用効果が476人(同666人)と推計し、いずれも前年からさらに落ち込んだ。  

11月が最多 春の減少響く

  彦根城の入場者は前年比1万人増の38万人。月別で最も多かったのは11月の6万5000人で、10万人を超えた月はなかった。例年は3月から5月にかけての春の時期に入場者が多く、年間の3分の1を占めるが、昨年はコロナ禍で大幅に減少した。
2020年の県内主要観光地の入込客数は、ラコリーナ近江八幡が233万1300人で1位、多賀大社が161万2100万円で2位だった一方、36万7300人だった彦根城は20位と低迷。38万人の2021年も同じようなランクにあるとみられる。
11月24日の平日、休日の11月23日と12月5日、土曜の11月27日のイベント日に表門、二の丸駐車場、夢京橋キャッスルロードで行ったアンケート調査の結果は、訪問地点が彦根城・博物館・玄宮園49%、夢京橋キャッスルロード23、四番町スクエア11%とほぼ前年並み。観光客の訪問地点件数は2と例年と変わらなかった。