インスピレイク

彦根市中央商店街の「彦根市役所中央町別館」4階に彦根市テレワークオフィスが完成し、5月6日にオープンした。国のテレワーク交付金を活用して、シェアオフィスやコワーキングスペースを持つ施設だ。施設の名前は、『INSPILAKE(インスピレイク)』と命名された。
彦根市・大学・金融機関・企業・当所等が出資するコンソーシアム近江テック・アカデミー株式会社(OTA)が運営し、学生ベンチャー等のスタートアップ拠点とすることで、まちの活性化と学生の地元定着を目指す。
更に、INSPILAKEは単なるレンタルスペースではなく、コンソーシアムを構成する大学や行政、金融機関の専門性とネットワークを活かし、中小企業のDX導入支援、ジュニア世代へのデジタル教育、リカレント教育の推進に対してワンストップのサポート体制を整え、地域課題の解決につなげることを目的としている。

デジタルサポートなど学生の力で地域をアップデート

INSPILAKEはテレワークオフィスの運営を通じて、中小企業のデジタルサポートやスタートアップ支援事業を行う側面も持っている。企業におけるDXの推進は生産性向上・効率化による業務改善をもたらし、従業員の働きやすさにつながる。テレワークもその一例であり、通勤時間を削減し、効率の良いスケジュールで仕事を進めることが可能となる。ワークライフバランスの維持や職場環境の整備費用の削減にも有効であり、働き方改革の推進という観点においてもDXの推進は不可欠だ。テレワークやEC等のデジタル化に関心があっても、ノウハウがなく導入に至らない中小企業や個人事業者が多いため、デジタル化やIT活用を支援する仕組み作りが課題となっている。
現在、INSPILAKEでは、滋賀大学データサイエンス学部の学生8名が運営スタッフとして従事している。学生達は大学での学びに加えて本施設での実務を通じて企業人と共にコワーキングスペースやシェアオフィスで働き、ここでのビジネス交流を通して研鑽し、ITスキルの習得や起業マインドの育成、さらにはデジタル活用スキルを活かして中小企業のDX導入支援サービスに従事できるようになることを期待されている。こうしたデジタル関連人材の育成・定着を促進するため、産学連携で在学中に様々なことにチャレンジできる環境を整備し、地元での起業や就業に至る支援を充実させることが求められている。
このオフィスでアソシエイツとして働く滋賀大学データサイエンス学部2回生で、「INSPILAKE」の命名者でもある新井綾乃さんにお話を伺った。

滋賀大学データサイエンス学部2回生 新井綾乃さん

大学では、主に統計学やプログラミングを学んでいます。データサイエンス学部を選んだのは、プロバスケットボールリーグのスポーツデータ分析に興味があったからですが、データサイエンスが交通や医療、教育など様々な分野で活用されていることを学び、興味の幅が拡がっていきました。自主ゼミの先生から「近江テック・アカデミーの仕事は視野が拡がって自らの成長につながるからぜひやってみたら」と勧めていただいたのがきっかけで、大学のある地域に貢献できるこの事業に携わってみたいと思いました。
私が考えた「INSPILAKE」が施設の名称として採用された時はすごくびっくりしました。この造語には、利用する人々が互いに刺激しあってアイデアが生まれ、湖のように満ちていくという意味を込めました。窓から見える琵琶湖をイメージしたこの名前が多くの人に親しんでもらえれば嬉しいです。
INSPILAKEでは受付業務や施設管理をしながら、小中学生向けの統計学のテキスト教材などを作成しています。今後はいろいろな人にこの施設を活用してもらい、企業と学生がコラボして新しい発想が生まれるような企画を考えていきたいです。また、商工会議所で開講しているジュニアITスクールをここで行いたいと考えているので、プログラミングを習う小学生に大学生が教えてあげることもできると思います。アソシエイツの学生には卒業後に起業を目指している人もいて、学生と企業のマッチングなど、ここから世代や所属を越えたつながりが生まれたらいいなと思います。

地域課題の解決に向けて

コロナの影響でこれまでの働き方からの大きな変化としてオフィス以外のワークスペースの需要が増えている。今後、企業のサードプレイスとしての利用や、フリーランス人口の増加、ベンチャー企業の増加も予想され、地方都市でテレワーク・コワーキングスペース・シェアオフィスへの関心はますます高まることが予想されている。
企業関係者の移住により、都市から地方への人の流れを生み出し、活力ある地域社会の実現に貢献することもテレワークオフィスの目的のひとつである。移住希望者の住居や就労先など様々な相談対応や支援のために、INSPILAKEでは金融機関や地域おこし協力隊などのスタッフも活躍している。多様な職種や専門分野の人材が集まるINSPILAKEは、予想もしなかったイノベーションが生まれる可能性を秘めている。今後、施設の維持、運営や機能向上には継続的な投資が必要となるため、当所としてもコーポレートメンバーの募集等により引き続き資金面や運営面での協力を行っていく。学生や民間の力を活用して事業所や商店のデジタル化を推進し、都会地からの事業所移転・移住を進めることで地域の課題解決と活性化、地域の持続的発展への可能性が期待される本事業に対して、皆様からのご協力をお願いしたい。

Access抜群!快適なオフィス空間

  • INSPILAKEは、創業を目指す方、個人事業主の事業拠点としてはもちろん、自宅にテレワーク環境がない方や自習を行う方のワークスペースとして利用することができる。西側の大きな窓から彦根城、琵琶湖、比良山系までの眺望が広がる快適なオフィス環境は、他所にはない思索の場となっている。
  • フロアは、利用者同士が交流できるオープンデスク、ワークスタイルに合わせて利用できるコワーキングルーム、1人から6人用のシェアオフィス、リモート会議ブースで構成され、セミナーや学生との交流イベントの場としても利用できるようになっている。
  • 新大阪駅から40分、名古屋駅から60分という彦根市のアクセスの良さを活かし、地方進出を検討する企業の事業拠点として、起業や地方進出の足がかりとなるオフィスとして利用できる。(会社登記、郵便物の受け取り・保管サービスも行っている)

コーポレートメンバー募集中! What will you do with us?

中小企業のデジタル支援、事業所移転や移住の受け皿として、地域の社会課題の解決を目指す当施設の「シェアオフィス事業」を円滑に進めるため、多くの団体・個人の参画をお願いします。

コーポレートメンバー 15,000円/月(税込)

【メンバー特典】 ● コワーキングスペースを1メンバー2名まで使用可能(営業時間内) ● ロッカーを占有使用 ● 会議室を割引価格で使用 ● OTA企画セミナーに無料参加 ● 学生との交流(オフィスイベントを実施します) ● 起業に挑戦する場合、設立ノウハウ、ファンドの相談 ● 電源、Wi-Fi、設置電気製品が使用可能(ドリンクは有料)

【お問い合わせ・お申込み先】(※施設の見学に対応します)

近江テック・アカデミー株式会社(彦根商工会議所)
https://inspilake.jpinfo@inspilake.jp ● 0749-22-4551


INSPILAKE 施設概要

名称
彦根市テレワークオフィス「INSPILAKE」
所在地
彦根市中央町2-26(彦根市役所中央町別館4階)
営業日・時間
月~土(日・祝、お盆、年末年始休み)・9:00~20:00
午前の部9:00~13:00/午後の部13:00~17:00/<> 夜の部17:00~20:00
ウェブサイト
https://inspilake.jp

※シェアオフィスの空き状況・利用料金については、ウェブサイトのフォームからお問合せください。