「和こん」を手に藤田社長(ジェトロ滋賀提供)

彦根商工会議所1階に事務所を設けている日本貿易振興機構(ジェトロ)滋賀貿易情報センター(中央町)は、今月10日から23日まで台湾で開かれている「滋賀の食材」フェアに、彦根市内の有限会社いと重菓舗(本町)と水谷醤油醸造場(日夏町)の商品が出品されていると発表。両社とも初の海外輸出を実現した。
滋賀の食材フェアは滋賀県が県内企業の食材や商品の海外販路の開拓を目的に、ジェトロ滋賀貿易情報センターと緊密に連携し、台湾の高級食品スーパー「Breeze Super(微風超市股份有限公司)」で開催している。出品している県内企業16社のうち、いと重菓舗と水谷醤油醸造場など3社が初の輸出となった。
いと重菓舗は元々、糸問屋だったが、文化6年(1809年)に菓子業へ参入した200年以上の歴史がある老舗。台湾で販売している商品は「和こん レアチーズケーキ」。大納言小豆とチーズケーキを調和させた和と洋の和魂洋才の菓子として、幅広い年齢層で人気だ。ジェトロによると、藤田武史社長は「今回の初の輸出は彦根城が世界遺産登録を目指す一環としての取り組み。開国へ導いた井伊直弼公にちなみ、和魂洋才から命名した商品だ」とコメントしている。「和こん レアチーズケーキ」はオンラインでも購入できる。

桶の前で「日々是好日」を手に水谷さん(ジェトロ滋賀提供)

水谷醤油醸造場は嘉永6年(1853年)創業の老舗。杉の木の桶仕込みによる天然醸造を約50年ぶりに復活させ、理想の風味を追求。台湾で販売している商品は日本国内の総流通量の1%にも満たない天然醸造の醤油「日々是好日」。ジェトロによると、六代目の水谷優太さんは「この商品は肉料理によく合う。台湾では消費者に商品の良さを直接アピールし、同時に消費者の生の声にも耳を傾けて、更なる輸出も視野に入れた醤油作りに生かしたい」とコメントしている。