三日月 大造(みかづき たいぞう)

1971年生まれ。2002年松下政経塾23期生として入塾。2003年11月より4期連続で衆議院議員として活動。2014年7月滋賀県知事に就任し、現在3期目。2022年12月関西広域連合長に就任。

平和の象徴である彦根のまち

お城は登るのもいいですが、私は遠くから眺めるのが好きです。お城の面白さや、意味みたいなものがあるんじゃないかなと思うのです。石垣と季節の草花、落ち葉と一緒に見ることができる彦根城を私は愛しています。
大河ドラマ『どうする家康』の時代背景は、戦をして領地を奪い合う戦国時代です。だからこそ、家康は「厭離穢土欣求浄土」という理想を掲げたのではないでしょうか。穢れた世ではなく、平和な世の中を築きたいという願いが込められているように思います。彦根城と周りのまちは、まさにその象徴だったのではないかというのが私の考えです。戦をやめて日々安心して暮らし、腕を活かして生活する。彦根にはそういった技や匠が多いですね。平和であるためにできることです。
また、彦根城は当時の他の城を持ってきて造られたそうですね。リサイクルの原点です。城内の米蔵は、飢饉があったときには西国に米を届けるという、誰一人取り残さないための大事な場所でした。このように、四百年前からSDGsを実践し、体現していたことも、表現していきたいです。
こういった彦根城の持っている価値が全国、世界に認められること、何よりも私たち県民自身がそのことを学び、自信と確信を持って世の中の人達に伝えていくことが重要です。そして、この価値や意味を知ることで、次の時代にどのように生きていけばよいかを知ることができると思います。
また、「一期一会」の教えが今も彦根に息づいている点も大事にしたいなと思います。茶道を極めた井伊直弼公だから、世界に対して開かれた日本にしよう、という優れた指導力も発揮されたんじゃないかと思います。現代は、グローバルに情報が飛び交う時代だからこそ、「一期一会」を大事にできるような滋賀でありたい。こういったことも彦根城から学び、伝えたいと考えています。

天の時 地の利 人の和

彦根城は彦根にありますが、滋賀県の大切な文化財であり、日本の国にとっては、その時代を象徴する極めて大切な宝物です。これをいかにみんなで共有できるかが大事です。 今、「天の時」がきていますし、日本の真ん中、結節点であるという「地の利」という素材があります。これを可能にするために必要になるのが「人の和」です。そして、それを創るのが私たちの仕事です。
滋賀の魅力の一つは、表に出過ぎず、控えめでありながら実を取り、未来に活かすことができるところです。彦根城の世界遺産登録は一つの通過点です。この過程をも楽しめればいいなと思います。経済界、民間団体、教育、行政、みんなで価値を磨き、それを活かして、みんなで彦根城を世界遺産にして、「さらにまちを盛り上げていこう!」という方向につなげていきたいです。