令和5年11月29日、令和5年度補正予算が成立し、今後の中小企業に向けた補助金の内容が明らかになってきました。今回は代表的な補助金制度についてその改正内容についてご紹介します。なお本記事は2024年2月22日時点の情報に基づきますので、各制度の詳細は今後公表される公募要項等をご確認ください。
持続化補助金 [継続] 次回申請受付〆切:次回未定
事業目的
小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等を支援。
主な改正点
- 制度面での大きな改正はありません。
- 電子申請システムで申請する場合、従来は「補助事業計画書」(様式2)の<経営計画><補助事業計画>、および「経費明細表・資金調達方法」(様式3)は別途作成した電子ファイルを添付していましたが、次回からこれらも直接申請システムに入力することとなりました。手間がかかりますので早めの対応が必要です。なおこれまで同様、書面での申請(郵送)も認められていますが、審査において減点調整を行うとしていますので採択には不利です。また電子申請には「GビズID」のアカウントとパスワードの取得が必要なため、電子申請を希望される場合は早期にご準備ください。
- 申請には当所が発行する「事業支援計画書」(様式4)が必要ですので、早めにご相談ください。
通常枠 | 特別枠 | ||||
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賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | ||
要件 | 販路開拓等の取組 | 販路開拓の取組に加え、事業場内最低賃金の引上げ | 販路開拓の取組に加え、従業員増加による規模拡大 | 販路開拓の取組に加え、アトツギ甲子園のファイナリスト | 販路開拓等の取組に加え、過去3年以内に創業支援を受け創業したもの |
補助率 | 2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4) | ||||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | |||
インボイス特例 | 50万円 *インボイス特例の要件を満たす場合は、上記上限額に50万円を上乗せ |
ものづくり補助金 [継続] 次回申請受付〆切:3月27日(水)
事業目的
中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援。
主な改正点
- 人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した設備投資(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセ ス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取組に必要な設備・システム等を支援するよう「省力化(オーダーメイド枠)」が新設されました。
- 従来の4つの枠(通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠)が、1つの枠(製品・サービス高付加価値化枠)に統合され、2つの類型(通常類型、成長分野進出類型)に整理されました。
省力化 (オーダーメイド)枠 | 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 | ||
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通常類型 | 成長分野進出類型(DX/GX) | |||
要件 | 省力化への投資 | 製品・サービスの高付加価値化 | DXやGXに資するもの | 海外事業の拡大・強化に資するもの |
補助上限 *従業員数による | 750万円~ 8,000万円 | 750万円~ 1,250万円 | 1,000万円~ 2,500万円 | 3,000万円 |
補助率 | 1/2 小規模事業者は2/3 1,500万円超は1/3 | 1/2 小規模事業者は2/3 | 2/3 | 1/2 小規模事業者は2/3 |
*大幅な賃上げをする事業者には、100万円~2,000万円の補助上限を上乗せ(申請枠・類型、従業員規模により異なる)
省力化投資補助金(仮称)[新設] 次回申請受付〆切:未定
事業目的
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援します。これにより、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的としています。
特徴
- 詳しい資料や公募要領等は公開されていませんので詳細は不明ですが、IoT やロボットなどの人手不足解消に効果がある設備投資に対する補助金です。
- 汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進するとしています。カタログに掲載される製品は現在業界団体から募集されていますが、製造業だけでなく小売・卸売業、宿泊業、飲食業等幅広く対応できることとなっています。
枠 | 申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
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省力化投資補助枠 (カタログ枠) |
・ 従業員数5名以下 200万円(300万円) ・ 従業員数6~20名 500万円(750万円) ・ 従業員数21名以上 1,000万円(1,500万円) *賃上げ要件を達成した場合、( )内の値に補助上限額を引き上げ | 1/2 |
その他
- 「事業再構築補助金」は、次回公募の予定は公表されていませんが、外部有識者レビューでの指摘事項を踏まえた見直しが 行われており、その上で公募が再開される予定です。
- 「IT導入補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」についても、継続して募集されています。
中小企業相談所からのご支援
彦根商工会議所では、認定経営革新等支援機関として会員企業様に対して事業計画や申請書の作成を支援させていただきますので、お気軽にご相談ください。なお各補助金の情報はウェブサイト等でも随時ご案内しますが、申請書類や申請方法、申請開始時期等の詳細は、各補助金事務局のページ等をご確認ください。