「緊急要望」を提出後、彦根市側と話し合う彦根商工会議所の小出英樹会頭ら

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、飲食業や宿泊業界を中心に地域経済にじわじわと影響が出始めている。彦根商工会議所は今月7日、感染拡大の影響を受けて経営が厳しくなった中小企業・小規模事業者への支援を求め、彦根市に「緊急要望」を行った。
彦根商工会議所は、国内での感染が確認され始めていた1月29日に相談窓口を設置し、対応にあたってきた。金融に関する相談が増加してきたため、3月30日には夜間の特別相談窓口を設置。政府の「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」に沿う形で、各種資金繰りの支援や持続化補助金・雇用支援制度など様々な相談に応じてきた。
しかし、国内での感染拡大が急速に広まる中、影響を受け始める事業者も増加。業況が悪化している事業者が市町村の認定を受けて融資を受けられる制度「セーフティネット保証」の指定業種は、彦根商工会議所管内で587業種(3月24日時点)に及んでおり、ほぼ全業種に拡大する勢いだ。

固定資産税の減免など求める

「緊急要望」では、

  • サプライチェーン(製造から販売までの物流システム)の停滞によって海外製の部品や資材が調達できないため、生産や工事の停止に追い込まれる製造・建設業
  • 観光客・ビジネス客のキャンセルが相次いでいる宿泊施設
  • 自粛モードの広がりにより利用が減っている飲食・サービス業

を取り上げながら「終息時期が見通せないことによる不安感で、過度に委縮している」と説明。
主な要望事項としては、

  1. 中小企業・小規模事業者の固定資産税の減免措置についてスピード感をもって発動を
  2. オンラインによる学習環境にするために小中学校への早期のパソコン配置を
  3. 信用保証協会のセーフティネット保証を利用する際に借入資金への利子補給の実施を の3点をあげた。

最後に「想像を超える危機的状況に対し、政府の施策や県の独自支援策と合わせて、彦根市独自の『上乗せ支援』を速やかに講じていただきたい」と求めた。

彦根市 支援内容の第一弾発表

彦根市は10日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って影響を受けている事業者や市民への支援内容の第一弾を公表した。
主な支援内容は、固定資産税、法人市民税、市県民税、軽自動車税、保育料、放課後児童クラブ負担金、上下水道料金、市営住宅の家賃、市立病院の診療費、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の納付が困難な市民、事業者に対し納付猶予の相談に応じるというもの。
このほかに、

  • 経営に影響が出ている中小企業・小規模事業者が信用保証協会によるセーフティネット保証を利用する場合の借入資金に対する利子補給
  • 特殊でない工事・物品の発注を原則市内業者から選定し、受注機会確保のための分離・分割発注を検討
  • 事業者から市への請求書受理後の速やかな支払い

なども行っていく。 国の緊急経済対策に沿った具体的な対策については今後、市議会の同意を得たうえで予算化していく運びだ。問い合わせは市代表電話☎0749-22-1411。