記念式典で講演する安宅和人教授

滋賀大学は今月4日、彦根キャンパスの講堂で大学院データサイエンス研究科博士後期課程の開設記念式典を開催。彦根市の大久保貴市長や彦根商工会議所の小出英樹会頭、共同研究を手がける企業関係者らオンライン参加を含め計約140人が出席した。
滋賀大学は平成29年にデータサイエンス学部、昨年に大学院データサイエンス研究科修士課程、今年春に研究科博士後期課程をいずれも国内で初めて開設した。
式典で位田隆一学長は「世界で活躍できるトップタレントのデータサイエンティストを育成していきたい」「データサイエンスの教育研究で社会との連携をより密にし、活力に満ちた我が国と世界の実現に貢献したい」とあいさつした。

「withコロナの時代」で講演 アドバイザーの安宅和人・慶大教授

滋賀大学大学院データサイエンス研究科博士後期課程の開設記念式典では、データサイエンス学部の外部アドバイザーでヤフーチーフストラテジーオフィサーの安宅和人・慶応大学教授の記念講演「withコロナ時代を考える」もあった。
安宅教授は、新型コロナウイルスを巡る問題について「世界中でパンデミックがどのように広がったかなどがデータでわかる」と、データ分析の重要性を指摘。
地球の温暖化によって平均気温が上昇する予想データを示しながら「新型コロナの問題と根は同じ。人と地球がぶつかるたびにウイルスもやってくる」と説明。今後の社会構造については「ヘルスケア、ビジネス、教育、行政システムの中で働き方や生活の仕方を再定義する必要がある」と、新型コロナの中で変化しつつあるリモート化などへの変革を提案していた。