さまざま種類のバルブ(滋賀バルブ協同組合のウェブサイトから)

滋賀バルブ協同組合(彦根市岡町、濵口浩一理事長)は、2020年通期の「彦根バルブ」の生産高の調査結果を発表。組合員31社のうち調査対象の23社の合計は前年比0.1%減の278億7900万円で、前年の約279億円と同じ規模だった。
業種別には水道用弁が前年比1.0%増の102億1800万円と、前年に引き続き100億円台を維持。要因としては昨年下期に新型コロナウイルスの影響をやや受けたものの、公共投資がおおむね順調に推移したため、通年で微増となった。
産業用弁は前年比6.5%減の105億100万円と減少した。新型コロナ禍による設備・建設投資の延期・見直しや流通の一時的な停滞が主な原因だと思われる。
船用弁は前年比3.5%増の59億900万円とわずかに増加した。一般的な船用弁が造船会社の統廃合や世界的な新型コロナ禍の影響で少し厳しい状況だったが、船舶用の排ガス装置向けのバルブが国内外とも引き続き好況で、トータルで生産増になった。
鋳物素材は前年比47.4%増の12億5200万円と大幅に増えたが、これは昨年から銅合金鋳造メーカー2社分が新しく加算されたためで、今年以降、その動向を改めて注視する必要がある。
滋賀バルブ協同組合によると、世界的なコロナ禍の影響で大幅な減産を心配していたが、各企業がそれぞれの市場や特性に応じて仕事量の確保に努めた結果、ほぼ前年並みの成果を上げることができたという。一方で、バルブ業界は世界的な景気動向に対して、半年から1年遅れで影響が出てくると言われており、滋賀バルブ協同組合では「一日も早く正常かつ活況な市場に戻ることを期待したい」としている。

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