学長から卒業証書を受け取る卒業生の代表

滋賀大学は3月26日、彦根市内と大津市内の計3カ所に分けて卒業式を開催。そのうち、データサイエンス学部の初めての卒業式は彦根キャンパス内の講堂で開かれた。
データサイエンス学部の卒業生94人と大学院データサイエンス研究科博士前期課程の修了生23人が出席。位田隆一学長から、代表者2人に卒業証書と学位記が授与された。
位田学長が式辞で述べた主な内容は以下の通り。

学長「コロナ禍の未来切り開いて」

「この1年余りの皆さんの苦悩は限りなく大きいものであったことでしょう。勉学計画や留学計画も根本的に修正を余儀なくされたでしょう。孤独感や不安を訴える人がいたことも知っています。これらの状況に対して、とるべき手が極めて限られていたとはいえ、大学としては本当に残念に思います。
皆さんは将来、「新型コロナ世代」と呼ばれるようになるでしょう。人間にとって未知のウイルスとの戦争の中で、果敢に戦い、勝利を勝ち取る世代です。
オンライン授業という初めての経験もしました。オンラインで行った学長サロンで、ある新入生が大学に出てくることができないにもかかわらず、複数の課題活動に所属して活動を楽しんでいることを知り、そのタフさに感心したことも思い出します。
皆さんは世界の大学教育でオンライン授業を行ったパイオニアでもあったのです。コロナ禍の中から編み出される大学での新しい教育とは何か、ニューノーマルな生活様式の中での大学教育とは何か、皆さんは大学と一緒に考え、解を見出そうと努力してくださった、滋賀大にとって恩人とも呼べる世代です。
こうした経験はこれから皆さんが大学を出て進んでいかれる道の中で、自分の想像力と創造力が発揮できることを改めて確信するきっかけとなったはずです。
データサイエンス学部を卒業される皆さんは、日本で初めての「データサイエンス学士」です。この分野で遅れていたわが国で、皆さんの力に対する期待は大変大きいのです。ビッグデータを活用して、私たちの未来社会をいかにして一人一人が幸福な社会を作り上げるか、があなた方のこれからの責務です。社会の様々な生のデータを扱いつつ、習得してきた力を存分に発揮してください。コロナ禍の向こうの未来の光り輝く社会を切り開いていってください」。

竹村学部長 ピアノ演奏で祝う

卒業生に向けてピアノ演奏をする竹村教授

その後、在校生の送辞、卒業生代表の答辞、学業成績優秀者への学長賞表彰があり、閉会した。
閉会後にはデータサイエンス学部長の竹村彰通教授がピアノ演奏を行い、卒業生の門出を祝っていた。