本を手に井上昌一社長と大橋松貴助教

彦根仏壇の伝統技術を使って異分野の製品を作っている彦根市芹中町の井上仏壇(株式会社井上)の戦略展開などをまとめた本「伝統技術による現代的価値創造 滋賀県彦根市 井上仏壇の製品開発戦略」が、鳥居本町のサンライズ出版株式会社から刊行された。
新刊本の著者は、滋賀県立大学博士研究員などを務めた大月市立大月短期大学助教の大橋松貴さん(長浜市)。2019年3月にも本「伝統産業の製品開発戦略―滋賀県彦根市・井上仏壇店の事例研究」をサンライズ出版から発刊したが、以降の新製品を含めて各ブランドが誕生した背景などをより詳細に取材してまとめた。
新刊本では、井上仏壇が開発した花器やテーブル、照明などの「Black&Gold Collection」、カフェ用品の「chantо」、時計入れなど高級品「INOUE」の各ブランドのほか、滋賀県による企画・マザーレイクプロジェクトで開発された冷酒カップを紹介。ブランド・製品ごとに製品概要、彦根仏壇との関係性、製造工程、特徴と課題、販売までの歩みなどを取り上げている。
新刊本の中で、著者の大橋さんは「本書は伝統的な仏壇産地で活動する企業を調査対象とし、産地で生まれた伝統技術を活用した異分野での製品開発について検討した本。伝統技術をいかに利用し、顧客ニーズに合わせた製品開発に取り組む中小企業のイノベーションを聞き取ってまとめた」と解説している。 新刊本はA5判、上製本、192ページ。2800円(税抜き)。