四番町スクエアで試乗する若い女性

WHILL株式会社(東京都品川区)が開発した次世代型電動車いす「WHILL(ウィル)」を無料で貸し出す実証実験が全国各地で実施されており、滋賀県内でも今月から彦根、長浜、守山の各市でも始まった。
WHILL社は、電動車いすなど近距離モビリティの開発と販売、レンタル、シェアリングを手がける会社。国内外20以上の国と地域で事業展開している。
これは免許不要で、高齢者や障害者、体力に自信のない中高年が少し離れた距離への移動や街中を観光する際の乗り物として注目されている。座って右手を載せる部分に操作装置があり、1段階から4段階までで時速1kmから時速6kmまでのスピードを出せるのが特徴。歩行速度とほぼ同じ速さで、角度10度の坂や高さ5cmの段差も乗り越えられる。
WHILL社は、ポストコロナの観光、お出かけ需要が高まる一方、体力や長距離歩行に不安を抱える方の外出率が下がっている傾向の中、年齢や障害の有無に関係なく老若男女の誰もが利用できる移動手段としてウィルを提供。市街地の回遊性を向上させることで、観光活性化や高齢者の外出機会の創設が図れるとしている。
2018年以降、全国各地の都道府県や市町で実証実験を行っている。彦根市や彦根観光協会は「ウィル」2台を借り、観光客や市民が近距離を移動する際の乗り物として実証実験を今月1日から開始。11月20日までの午前9時から正午までと午後1時から午後4時まで、四番町スクエア内の彦根観光協会の事務所で無料貸し出ししている。使用範囲は彦根観光協会の周囲2~3km。
対象は体重115kg以下の18歳以上。利用申込書と同意書への署名が必要。彦根観光協会まで予約が必要だが、空きがあれば当日申し込みできる。問い合わせは彦根観光協会 ☎0749-23-0001。