彦根商工会議所では、会員企業の景況や経営課題などを四半期ごとに調査する「彦根企業景況等調査」を実施しております。このほど第21四半期(令和8年4〜6月期)の調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
本調査では、当所会員を対象に売上高、仕入・販売単価、従業員・資金繰り等について前年・前期比並びに来期見通しをDI(ディフュージョン・インデックス)値で示すとともに、自社の経営課題等も調査項目にしております。
調査方法:彦根商工会議所会員企業130社にメールまたはFAXによる
調査対象期間:令和8年4月~6月
集計・分析(委託先):中小企業診断士 岡本 香 氏
回答企業数:71社(回答率54.6%)
| 建設業 | 製造業 | 卸小売業 | 飲食業 | サービス業 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 回答数 | 16 | 18 | 15 | 7 | 15 | 71 |
| 業種別比率 | 22.5% | 25.4% | 21.1% | 9.9% | 21.1% | 100.0% |
※本調査でのDI(ディフュージョン・インデックス)「増加(好転・上昇・過剰等)」と回答した企業数の構成比から、「減少(悪化・低下・不足等)」と回答した企業数の構成比を差し引いた値である。
※今期(前期比):令和8年1月~3月と比較した令和8年4月~6月の状況
※昨年比:令和7年4月~6月と比較した令和8年4月~6月の状況
※次期:令和8年4月~6月と比較した令和8年7月~9月の見通し
総括的概要
R8年4-6月期について
各業種とも前回調査の通り全体としては好転していますが、中東情勢悪化の影響が、原材料不足や原材料価格の上昇、燃料費の高騰といった形で企業活動へ影響を及ぼしています。
R8年7-9月期について
中東情勢悪化の影響がより顕在化すると見込まれ、全業種にわたり低調・悪化の見通しとなっています。 この問題に加えて、円安の進行も予想され、原材料等を海外に頼る業種の業績圧迫が懸念されます。逆に国内調達・国内生産物については追い風となる可能性も期待されます。
1. 全体の景況等
(1)「業況判断DI(上昇-低下)」
- 今期(R8年4月~6月)
卸小売業を除けば、各業種とも前回予想の通り好転しています。卸小売業については中東情勢悪化による石油化学製品の入手困難や価格高騰の影響により大きく悪化しました。 - 次期(R8年7月~9月)
全業種について、中東情勢の悪化の影響が表れる見込みとなっています。石油化学製品を中心とした原材料の入手困難及び円安による価格高騰が懸念されています。卸小売業も引き続き悪化の見込みながら若干和らぐと見込んでいます。
(2)「売上高DI(上昇-低下)」
- 今期(R8年4月~6月)
全業種共、前期予想の通り売上高は好転しています。 - 次期(R8年7月~9月)
各業種とも、今期並の推移見込。サービス業のみ悪化の見込みとしています。
(3)「採算DI(上昇-低下)」
- 今期(R8年4月~6月)
卸小売業を除き、全業種好転しています。卸小売業は中東情勢による商品(特に石油化学製品)の品不足、価格高騰の影響をいち早く受け、悪化しています。 - 次期(R8年7月~9月)
各業種ともほぼ今期並みの中、建設業は改善する見通しです。
(4)販売単価DI
- 今期(R8年4月~6月)
概ね横ばいもしくは若干の好転となっています。 - 次期(R8年7月~9月)
飲食業を除き、好転もしくは横ばいです。飲食業は価格転嫁が困難であることも予想されます。
(5)仕入単価DI
- 今期(R8年4月~6月)
概ね横ばいの実感です。 - 次期(R8年7月~9月)
次期も概ね横ばいの見通しですが、製造業について、緊迫する中東情勢の影響による石油関連商品運送費の高騰の影響が懸念されています。
(6)資金繰りDI
今期(R8年4月~6月)、次期(R8年7月~9月)を通じ、飲食業を除き、大きな変化はみられません。日々の売上入金が資金繰りに直結する飲食業では販売単価の見通しが悲観的であり、資金調達について注視していく必要があります。また本調査以降に日銀の金利政策もあり、融資金利の上昇が懸念されており、今後は公的融資制度の動向を含め、資金調達環境の変化を注視していく必要があります。
(7)従業員DI
- 今期(R8年4月~6月)
建設業、飲食業を除きよくなってきている実感です。 - 次期(R8年7月~9月)
建設業は引き続き厳しく、卸小売業は悪化。その他は横ばいです。しかし、人手不足、人材不足、後継者不足問題は解決されてはおらず、さらに深刻になりつつあります。原油値上がりに伴う物価高の陰に隠れているようですが、引き続き注視が必要です。
2. 業種別の景況等
建設業
業況全体としては悪化、各種単価は横ばいの見込みです。
製造業
原材料費の上昇による採算悪化が懸念されています。
飲食業
業況・売上、次期見込は悪化が予想されます。そのほかの項目も低調の見込です。
卸小売業
次期は売上高の改善による業況好転が期待されています。その他は横ばいです。
サービス業
今期は前期比好調であったものが、次期は売上高の落ち込みによる業況、採算の悪化が懸念されています。