彦根市と犬上郡を管轄する市消防本部(西今町)は今年上半期の火災・救助・救急の統計を発表した。そのうち高齢化社会に伴って毎年、増加傾向にあった救急の出場件数が前年同期から397件減少したのが特徴。ここにも新型コロナウイルスの影響が出ているとみられる。
火災・救助・救急3分野の統計のうち、救急の出場件数は2512件。これは1日あたり約14件の割合で救急車が出場したことになる。実際に搬送した人数も前年同期から425人減少の2220人となっている。出場件数を事故種ごとに見ると、「急病」が全体の68%を占める1709件(前年同期2028件)となっており、以下「一般負傷」が380件(前年同期415件)、「交通事故」が209件(同252件)の順。
救急搬送された人のうち入院や加療を要しない軽症者は1316人で、前年同期の1592人から大幅に減少しているが、例年と同様、救急の出場件数の半数以上を占めている。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、救急要請を控えた事案が多かったとみられる。
火災21件うち11件「建物」 救助出場36件 半数が交通事故
火災件数は前年同期から1件減の21件。種類別では「建物」11件、「車両」2件、「そのほか」8件だった。火災による死者は0で、負傷者は4人だった。火災による損害額は前年同期の6597万円から大幅に減り1451万円。建物火災の焼損面積は前年同期から247平方メートル減の251平方メートルだった。
救助の出場件数は36件で前年同期の25件から増加。そのうち実際に救助隊員が活動した件数は15件で、救助した人は10人だった。事故種別では「交通事故」が18件と最多で、次に「建物等による事故」4件、「水難事故」と「機械による事故」が2件ずつだった。