公有民営化で調整が進む近江鉄道の電車

赤字経営が続いている近江鉄道の鉄道部門について、滋賀県や沿線5市5町などが話し合う「近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会」(法定協議会)の5回目の会議が東近江市で開かれた。
近江鉄道の鉄道部門は1994年度から赤字が続いており、県や5市5町などはその再生を目指し、昨年11月に法定協議会を設置。今年3月には全線の存続を決めた。
5回目となった法定協議会の会議では近江鉄道の今年度の業績見通しとして、営業利益が鉄道事業のみで前年度比3億2,000万円減の8億2,000万円の赤字、全体でも14億6,800万円の赤字になるとの発表があった。
焦点となっていた運営形態は、公有民営の「上下分離方式」で進める方針が示された。電車の運行を近江鉄道、線路や駅など設備と施設の保有を5市5町が行う形態で、2022年度に鉄道の設備と施設を管理する団体を設立し、24年度から上下分離へ移行するという計画。
24年度以降の費用負担は公有化される施設の設備投資と修繕の費用が6億4,000万円程度(概算)で、その負担割合は県と5市5町で1対1になる予定。5市5町の負担割合は駅数と営業距離、住民定期利用者数の3つの指標に基づいた数値が示され、最も高い割合が東近江の20.67%。その後は彦根8.91%、甲賀5.85%、近江八幡3.61%、日野3.02%、愛荘2.15%、豊郷1.57%、甲良1.47%、多賀1.31%、米原1.24%。
しかし法定協議会の会議では米原市長から、米原駅東口の再開発に伴って近江鉄道の線路などを同市の負担で整備したため、負担割合について「再度の精査が必要だ」との意見があった。このため事務局の県は今後、米原市と調整した上で、今年度中に開く6回目の法定協議会で負担割合を再提案する意向。

年末年始1日乗り降り自由 彦根港~竹生島の初詣船も運航

近江鉄道は今月28日から来年1月7日まで、電車全線が1日乗り降り自由になる「年末年始おでかけきっぷ」を発売している。料金は中学生以上900円、小学生450円。彦根、米原、八日市、近江八幡、貴生川など各駅窓口で販売。
またオーミマリンは新年1月1日から5日まで、彦根港・竹生島間で初詣船を運航する。彦根港の出発時間は午前9時半、午前11時、午後0時半、午後2時。竹生島の滞在時間は70分。中学生以上3,000円、小学生1,500円。乳幼児は大人一人につき無料。乗船者に招き猫グッズ、子どもには近江鉄道オリジナルストラップをプレゼント。
竹生島では拝観料が必要。彦根駅から彦根港までの無料シャトルバスあり。問い合わせはオーミマリン彦根港支店 ☎︎ 0749-22-0619。

年末年始おでかけきっぷ