委嘱状を手に地域おこし協力隊員の伊藤さん(左)

彦根市の新しい地域おこし協力隊員に、今年1月まで米原市のサカタインクス株式会社滋賀工場の工場長を務めた伊藤和典さん(60)=千葉県柏市=が着任。今月1日に市役所の特別応接室で委嘱式が開かれた。
地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化が進む地方の市町村が都市部からの人材を受け入れ、地域貢献に活躍してもらいながら定住を図る取り組み。彦根市は2011年から昨年までに計5人の地域おこし協力隊員を受け入れてきた。
6人目の今回は事業者の事業承継や起業者誘致に関する相談業務の隊員を募集。4月12日から5月7日までの募集に男女3人から応募があり、伊藤さんが選ばれた。
伊藤さんが担当する業務は以下の通り。

  • 新型コロナ支援策を通じた事業所の新展開への支援相談
  • 事業所の業態転換、事業承継の相談
  • 産官学連携施策による事業所イノベーションの促進
  • 首都圏および都市部からの起業者誘致相談
  • 企業版ふるさと納税(人材派遣)の促進
  • 都市部の副業、兼業希望者と事業所とのマッチング支援
  • 地域未来投資促進法に基づく地域未来牽引企業の登録促進

1日の委嘱式では、和田裕行市長から伊藤さんに委嘱状が渡された。伊藤さんは地域おこし協力隊に応募した動機として、ひこねの城まつりパレードへの参加や彦根城の世界遺産に向けたロゴマークの選定などに関わってきたことをあげ「彦根の人と町のよさに触れたことで、彦根市に貢献したいとの思いが強まった」と述べた。抱負としては「学生も大好きなので、滋賀県立大学のSDGsや滋賀大学のデータサイエンスを生かしながら企業との橋渡しを務めたい」と語った。
伊藤さんは近く住民票を彦根市へ移す。任期は今月1日から来年3月31日までだが、年度ごとに更新され、最大3年間の延長が可能。