銀座商店街の模型を前に話し合う学生と市民ら

立命館大学理工学部の学生たちが、彦根市の銀座商店街の空き店舗や空き住宅の再活用を探る「まちづくりゼミナール」(まちゼミ)が8月末の2日間、銀座町の空き店舗を拠点に行われ、学生や商工・行政の関係者らが意見を出し合った。
建築都市デザイン学科の阿部俊彦准教授の研究室は2020年度から、銀座商店街を訪問して、その再興策について研究してきた。
その研究によると、銀座商店街は後継者不足や郊外への出店により、空き店舗および空き住宅が増加。また竣工から60年が経ち、建物の老朽化が進んでいるため建て替えの可能性の検討が進められているが、地域経済の衰退のため時間を要している。一方で、老朽化した建物を活用したユニークな店舗、事務所、住まいの転用(リノベーション)といった新しい動きも見られる、としている。
阿部准教授の研究室では「銀座商店街に愛着やポテンシャルを感じ、新たに活動を始めたい人や住みたい人を見つけていくことが求められる」「建て替えだけでなく、空き店舗および空き住宅を活用したリノベーションによる再活用を進める仕組みをつくる必要がある」と分析。市民らと一緒に話し合う「まちゼミ」を企画した。
まちゼミには阿部准教授と学生6人が参加。銀座商店街の1946年から現在までの航空写真や模型を使い、来訪者に特徴や思い出、課題、アイデアを旗に模した付せんに書き込んでもらい、模型に入れ込みながら話し合った。
このほか、いすや机等の家具模型を使って、数パターンのサイズの部屋に自由に配置することで、リノベーションによる活用を検討してもらったり、昨年度の学生の卒業作品や事例の写真・動画、他都市の街の事例を紹介したりしながら、銀座商店街の再建策を探っていた。
阿部准教授の研究室は今後、銀座街とその周辺をまとめた「再発見マップ」の作成、実際に空き店舗を活用している人へのインタビューをまとめたガイドブックの製作、まちゼミの定期的な開催をしていく。