彦根市小泉町に建設中の市スポーツ・文化交流センターの整備に伴い、解体される予定だったひこね燦ぱれす(小泉町)の保存と図書館としての活用が決定した。9月29日の彦根市議会で関連経費を盛り込んだ補正予算案が賛成多数で可決された。
彦根市は2025年に県内で行われる国民スポーツ大会・障害者スポーツ大会に合わせて、新しい市民体育センター(市スポーツ・文化交流センター)を建設中。来年6月22日に完成し、12月に開館する予定。約3万5000平方メートルの敷地に、3階建てのスポーツ棟や2階建てのまちなか交流棟、駐車場などが整備される。 ひこね燦ぱれすは1991年2月1日に建築面積2267平方メートルで竣工。1階に多目的ホールや教養文化室、2階にミーティングルームや研修室、会議室がある。前市長時代の計画では、ひこね燦ぱれすを解体して同様の施設(まちなか交流棟)を建設する合築案が盛り込まれ、すでにまちなか交流棟の建設も行われている。 一方で5月に就任した和田裕行市長は就任前後から、ひこね燦ぱれすの保存と有効活用に言及。9月の市議会までに保存し図書館として活用する方針を決めた。
建設中のまちなか交流棟には1万5000冊を収める図書コーナーを設ける予定だったが、ひこね燦ぱれすの図書館化によって、図書コーナーには漫画や雑誌のみを置き、ひこね燦ぱれすに10万冊以上の書籍を配置する予定。ひこね燦ぱれすが図書館になる時期について、彦根市は「2024年度から2028年度にかけて」としている。
前市長時代の計画ではひこね燦ぱれすの解体後の跡地には約130台分の駐車場を整備する予定だったため、和田市長は北側の民有地を購入し、駐車場化する計画だ。
また前市長時代に清崎町に整備する予定だった図書館の中央館について、和田市長は「市の財政が健全化するまで延期する」と公表。彦根市図書館整備基本計画についても来年度中に新たな計画を作成していく。