彦根市清掃センターの外観(市清掃センター提供)

彦根市野瀬町の彦根市清掃センターで昨年12月から、燃やすごみを焼却処分する2号炉と3号炉で不具合が発生し、使えない状況が続いている。ごみの収集に影響はないが、貯留量に限界があるため、市清掃センターは市民にごみ減量を求めている。
昨年12月11日に3号炉内の排ガスを煙突へ送る「誘引通風機」に異常音が確認。焼却処理を停止して内部点検したところ、破損が見つかった。翌日から2号炉を稼働させていたが、17日に2号炉の誘引通風機でも一部の破損が確認されたため、焼却処理を停止した。誘引通風機の吸い込み口に水分が結露して腐食が進んだことが損傷の原因だという。
市清掃センターは当初、2月下旬の復旧を予定していたが、2号炉、3号炉ともに人材や部品の不足により、復旧のめどが立たない状況だ。

稼働時の誘引通風機と損傷した箇所(市清掃センター提供)

以前までは1基の焼却炉で1日平均計45トンの燃やすごみを処分してきたが、設備の老朽化に伴って近年は約30トンにまで低下。市清掃センターには1日平均で約90トンの燃やすごみが集まるため、稼働させている1号炉のみでは処理しきれない。
処分できないごみについて、これまでは今年10月から来年2月までの契約で三重中央開発に搬出しているが、今回の2つの焼却炉の故障で発生する処分できないごみの搬出先や処分方法については「まだ調整中」だという。
粗大ごみについても解体後の木材部分などを燃やすごみとして処分している。和田裕行市長は「ごみ処理の非常事態。市民の皆さんには申し訳ないが、ごみ排出量の抑制、リサイクルをお願いしたい」と話している。