ブリンチキを手にイリーナさん(左)やギャリーナさん(中央)ら

ロシアの侵攻を受けているウクライナから、イリーナ・ヤボルスカさんと母親のギャリーナ・イヴァノヴァさんが彦根に避難している。イリーナさんたちは日本への感謝の気持ちと避難民の生活の基盤作りのために、キッチンカーでウクライナ料理を提供する取り組みを計画。車体の購入費などを募るクラウドファンディングを行っている。
2人はウクライナのハリコフで生活していたが、侵攻後にポーランドのワルシャワに避難していた。イリーナさんの娘のヤボルスカ・カテリーナさんと夫の菊地崇さんが彦根で暮らしていたことから、2人はポーランドから3月22日に来日。翌日から彦根で過ごしている。
イリーナさんは「日本の皆さんに感謝の気持ちを伝えたい」「ウクライナ料理を食べてもらって、おいしい、ありがとうという声を聞きたい」との思いから、キッチンカーでの販売を企画。提供するウクライナ料理はクレープ風の生地にチーズクリームや鶏肉などをまく「ブリンチキ」。

近江ツーリズムボードのキッチンカーを見学するイリーナさんら

今月28日からの土日、佐和町の彦根キャッスルリゾート&スパ前にキッチンカーを停めて販売する。1カ月間は一般社団法人近江ツーリズムボード(彦根商工会議所内)所有のキッチンカーを借りて営業。6月下旬からは購入予定のキッチンカーで提供する計画だ。
クラウドファンディングは今月2日から6月10日までCAMPFIREで行っている。目標額はキッチンカー本体、発電機、クーラー、冷蔵庫、冷凍庫、デザイン代で計360万円。返礼品はゴールドメダル、ブリンチキ作り体験や試食会参加券、あなたの街までキッチンカー出張など。資金が多く集まれば2台目、3台目を購入し、ほかのウクライナの避難民にも働ける場を提供していく。
イリーナさんは「この取り組みが報道やSNSで国内外に広まり、世界中に避難しているウクライナ人に良い前例として伝わればうれしい。日本の皆さんの応援をお願いしたい」と話している。

日本人への恩返し。ウクライナ避難民によるウクライナスイーツキッチンカー@彦根城前 - CAMPFIRE