彦根藩の井伊家ゆかりの青岸寺(米原市米原)で米原市内外のアーティストたちによるイベント「orite Art青岸寺(オリテアートセイガンジ)2022」が10月1日から11月30日まで行われる。
青岸寺は、南北朝時代の延文年間(1356年~1361年)に守護職だった佐々木道誉によって光泉寺として建立。江戸時代になると、彦根の大雲寺の要津守三和尚が慶安3年(1650年)に入山し、寺名を青岸寺に改めた。彦根藩3代目当主の井伊直澄から寺領など支援を受けて栄えてきた。
守三和尚の入山の際に庭園が整備されたが、彦根城の槻御殿に玄宮楽々園が築かれる際に石組みごと供出された。現在の庭園は延宝6年(1678年)に築かれ、観音様の住まいになる補陀落山(ふだらくさん)の世界を表現。昭和9年には当時の文部省から名勝庭園に指定された。
今回の芸術ベントは、一般社団法人びわ湖の素DMO(事務局=米原市役所内)が米原駅から徒歩約7分にある青岸寺を活用しようと初めて企画した。主なイベント内容は以下の通り。
- 10月1日午後6時から午後8時まで=人数限定の先行内覧会を開催。米原市内在住の切り絵作家・早川鉄兵さんによる切絵障子や庭園ライトアップをいち早く見学できる。市内在住のシンガーソングライターの真依子さんのコンサートもある。内覧会の入場料は大学生以上2000円、小学生から高校生10001円。要予約。
- 10月2日と8日から10日までの午後6時から午後8時半まで=青岸寺ライトアップ~光明の灯り~。国の名勝の庭園を期間限定でライトアップ。
- 10月2日から11月30日まで=企画展「早川鉄兵 切絵障子『補陀落山図』」。切り絵作家の早川さんが青岸寺の書院を切絵障子で彩り、同寺の庭園のモチーフになった補陀落山の世界を表現する。
- 10月9日午後6時半からと午後7時半から=南沢靖浩シタールコンサート。インド古典楽器のシタールを演奏する南沢さんを招く無料のコンサート。
- 10月19日から31日まで=上丹生木彫の展示販売会。滋賀の伝統工芸に指定されている米原市の上丹生木彫の展示と販売。
- 11月2日から6日まで=山本浩文華展「融合美」。米原市内在住の池坊華道教授の山本さんの生け花の個展。山本さんから手軽な生け花を学ぶ体験会が11月5日午前10時から午後3時まであり、定員と参加費は先着10人・800円。
日中の開館時間は午前9時から午後5時まで。拝観料は大学生以上300円、小学生~高校生100円、ライトアップのみ600円と300円に。休園は火曜日と第4月曜日。臨時駐車場あり。お問い合わせはびわ湖の素DMO ☎0749-51-9082。