あけましておめでとうございます。
2023年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
今年は卯年です。日本には553年頃に朝鮮半島南部の百済を経由してこの中国歴(太陰太陽歴)が伝来したと「日本書記」に記されています。十二支に動物の名前がついているのは、古代中国において文字が読めない人にも分かりやすく暦を伝えるためであったとされ、兎は跳ねる特徴があることから、卯年の株式相場は景気が上向き、回復するといわれています。
まず、このような卯年の年頭にあたり私の方針を述べさせていただきます。
長期的な視野で人口を減らさない方策を取りたいと考えています。そのためには働く場所の確保すなわち彦根の事業所の数を減らさないことです。減らさない方法として、創業支援(スタートアップ)・事業承継(含M&A)・本業支援等を積極的に進めていきます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症はオミクロンに変わり、致死率もインフルエンザの0.55%より低くなったため、Ⅱ類からⅤ類への検討が本格化しています。また、2月のロシアによるウクライナ侵攻が長引き、その影響が二つの大きな問題として顕著化してきました。
二つの問題とは、エネルギー問題と穀物問題です。特に、エネルギー問題は、コロナ禍にあってウィズコロナで経済を回し始めたため、世界中でスタグフレーション(インフレと物価上昇が同時進行する現象)が起こりました。また、経済が動き出すことで、景気が良くなった国もあります。しかし、米国、欧州ではインフレを引き起こしました。現在、世界中がエネルギーや物価高騰で苦しみ、米国や欧州では、インフレを抑えるため中央銀行で金利を上昇させたため、日本との金利差が開きつつありました。
しかし、日本銀行は昨年12月20日の金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を今までの0.25%から0.5%に広げました。事実上の利上げを決めたことになります。
この程度の利上げは皆さまへの影響としては良い方向に向くと思われます。
このような情勢の変化がある中、日本でのエネルギー対策として政府も各種補助をしていますが、期間等が限定されています。物価上昇は、今年の1月~3月にかけて、さらにもう一段進むと思われます。
商工会議所の具体的な取り組みとして、令和4年度の国の補正予算で示されているとおり、昨今の我々を取り巻く経済環境を打破するための補助金の活用、DXの取組支援、円安対応策、人材確保(含む副業人材の活用)、カーボンニュートラル等の事業について、相談に応じさせていただきます。
また、世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアムでは、世界遺産登録に向けた取り組みを積極的行っておりますが、登録後のまちづくりも考えていかなければなりません。
観光の取り組みとしましては、昨年9月の日本入国時の緩和措置によりインバウンドの観光客が増加しています。DMOである近江ツーリズムボードと彦根観光協会が、共に観光による地域の活性化に取り組み、本格的に協働していかなければならないと思っています。 冒頭に私の方針をお伝えしました彦根の事業所数を減らさない、そのための具体的事業を展開してまいります。
結びにあたりまして、我々を取巻く経済環境はまだまだ厳しいものがありますが、彦根にはそれらを跳ね返す力が十分にあります。今後、微力ですが、商工会議所が一団となり事業に取り組んでまいります。今年は卯年です。皆さまと共に飛躍しようではありませんか。

2023年1月1日発行 会報誌「不易流行」より