現在の状況について

湖東地域の国道8号線は、慢性的な渋滞箇所が複数地点あることから、2016年から国の計画段階評価が始まり、2018年には国道8号バイパス彦根・東近江間の整備に関しての候補案3ルート帯が示された。
かねてより、国道8号バイパス彦根・東近江間整備促進連絡会、国道8号バイパス建設促進期成同盟会、国道306号整備促進同盟会によって国道8号バイパス等の整備促進についての要望活動が行われてきた。そして2022年2月、国道8号の彦根から東近江までの約24㎞を山側にバイパスするルート(彦根市佐和山町のあたりから多賀大社西側を経由し、東海道新幹線の東側を通過して近江八幡市安土町のあたりへ至るルート:下図参照)が決定し、都市計画決定の手続きに入ることが国土交通省近畿地方整備局から発表された。
2025年には、米原バイパスが佐和山町へと接続予定であり、同年には彦根市を主会場とした国スポ・障スポの開催や、彦根城世界遺産登録に向けて、主要アクセス道路として期待が大きく、現在は早期竣工の要望がされているところである。

国道8号バイパス整備による効果

国道8号は国土の基礎道路として地域の産業、経済活動の発展に大いに貢献し、併せて活力のある地域社会を形成し、豊かな生活の実現を図るための都市基盤施設として利用されているが、事業所の皆様にどのような効果があるのかを改めて紹介していく。
昨今の交通事情は、車の増加に伴い慢性的な交通渋滞が発生し、地域の産業振興や観光振興等に多大な影響を呈するまでに至っている。国道8号は「重要物流道路」に指定されるとともに、滋賀県の緊急時輸送経路にも指定されており、大規模災害の発生に備えてその機能の重要性には極めて大きなものである。実際に2021年の年末は記録的な大雪により国道8号では28時間に及ぶ通行止めとなり、公共交通機関も一部区間運休や通行止めが相次ぎ物流の停滞等大きな影響を及ぼした。
これらの改善にも繋がる今回の国道8号バイパス事業については、国道8号バイパス建設促進期成同盟会による要望書の中で、「水害や地震の被害が少ない(生産の安定)」、「2次産業における製造業の割合、労働人口の割合が高い京阪神・中部・北陸へのハブ地点である」という点から、物流・産業拠点の形成から定住・交流人口の増加・発展が見込める=道路ネットワークの充実が経済の活性・定住人口の増加につながると述べられている。
さらに、先述のとおり、国スポ・障スポの開催や、彦根城世界遺産登録に向けて、主要アクセス道路として期待されている。滋賀県は全国有数の文化財の宝庫であり、重要文化財の指定件数は東京、京都、奈良に次いで多く、観光庁の広域観光周遊ルートの2ルート(関西圏・中部圏)に滋賀県が選出されている。
 現在、彦根城の世界遺産登録の推進と、広域連携を目指している世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム(*)では、湖東・湖北地域の歴史・伝統や自然を国内外に発信しているところである。
今回の彦根~東近江間のバイパスが整備されることで、年間170万人以上が来訪する多賀大社や、日本の紅葉名所百選にも選出された三つの天台宗寺院が連なる湖東三山など、彦根城との観光拠点間のアクセスの向上が期待できる。この追い風にのって、さらなる地域での盛り上がりを醸成していきたい。

*長浜市・米原市・彦根市・東近江市・近江八幡市・多賀町・甲良町・ 豊郷町・愛荘町)の商工団体、観光団体など23団体で構成する「彦根城の世界遺産登録」の実現を目指す共同事業体)


国道8号バイパス建設促進期成同盟会による要望活動について

2017年 1月25日 国会議員・国土交通省へ要望
7月25日 滋賀県および近畿地方整備局へ要望
8月2日 国会議員・国土交通省・財務省へ要望
11月17日・24日 滋賀県・近畿地方整備局・国会議員・財務省へ要望
2018年 7月5日 3ルート帯が示される
7月12日 滋賀県へ要望
8月2日 近畿地方整備局へ要望
8月9日 国会議員・国土交通省・財務省へ要望
11月8日 滋賀県・近畿地方整備局へ要望
11月12日 国会議員・国土交通省・財務省へ要望
2019年 7月17日 滋賀県・近畿地方整備局へ要望
8月5日 国会議員・財務省・国土交通省へ要望
9月27日 報告・意見交換会
10月28日 滋賀県・近畿地方整備局へ要望
11月8日 国会議員・財務省・国土交通省へ要望
2020年 8月25日~9月24日 環境影響評価方法書等の縦覧実施
9月9日~18日(彦根では9月18日) 環境影響評価方法書等の住民説明会の実施
10月1日 近畿地方整備局・滋賀県へ要望
10月21日 国土交通省および財務省、国会議員へ要望
2021年 10月29日 財務省・国土交通省・国会議員へ要望
2022年 3月18日 事業計画の住民説明会
7月28日 近畿地方整備局および滋賀県へ要望

要望団体

国道8号バイパス彦根・東近江間整備促進連絡会(事務局 彦根商工会議所)

彦根商工会議所・八日市商工会議所・東近江商工会・愛荘町商工会・稲枝商工会・豊郷町商工会・甲良町商工会・多賀町商工会・一般社団法人滋賀県トラック協会・一般社団法人滋賀県建設業協会・一般社団法人全国クレーン建設業協会・誘致民間企業で構成

国道8号バイパス建設促進期成同盟会(事務局 彦根市)

彦根市・多賀町・愛荘町・東近江市・甲良町・豊郷町の6市町で構成

国道306号整備促進同盟会(事務局 多賀町)

多賀町・彦根市:滋賀県内は2市町