父から受け継いだ会社を、デジタル・アナログの双方を駆使し、より良いモノを作り、社会に貢献していきたいです!

今回は自動車の締結部品である「リベット」の金型製造のトップシェアを誇る(有)湖東精密の増田大輔社長にお話を伺いました。

(有)湖東精密のあゆみ

弊社を端的に表現すると「金型を製造している会社」といえば分かりやすいと思います。私の父が東京で父の兄の会社に勤め修業した後に、地元彦根市で開業しました。今年で創業41年を迎えます。当初は下請け業務がメインでしたが、年数を重ねるうちにお得意様から直受けの仕事をいただくようになり、力を入れていくようになりました。
私は27歳の時に入社しましたが、職人気質な父の性格上、会社の運営に関してあまり話し合うことはできませんでした。しかし父の高齢化に伴い、会社を廃業するか否かを迫られ、ダメ元で会社を引継ぎ2020年に会社の代表となりました。

トップシェアを誇るリベットの金型製造

少し難しい表現ですが、弊社は「冷間圧造用超硬金型」の製作会社です。なかでも現在の主力商品である「リベットの金型製造」は弊社のメイン業務です。あまり世間一般でなじみのない言葉かもしれません。
リベットとは自動車のホイール部分、洗濯機や風力発電等、モーターで回転し摩擦熱が生じる部分の摩擦を軽減するための部品「ベアリング」の構成部品の一つです。非常にニッチな仕事ではありますが、我々が日常生活で用いる身近な物に必要不可欠であると自負しています。

作成されたリベット。表面は鏡のように加工されている。

苦労とやり甲斐

様々な型、大きさの金型を製造しており、時にはμ〈マイクロ〉レベル〈m(ミリ)の1000分の1〉の精度が要求されます。当初は納品後の返品もあり、山のように不良品を抱えてしまい、非常に苦労しました。しかしながら、現在では返品も少なく、安定的な受注をいただいており、弊社のことを頼っていただけていることに非常にやり甲斐を感じています。

今後の目標とビジョン

現在、いつ・だれが・どこでに依存せずとも正確に作動する高精度な機械が多くあります。弊社においても多くの機械を使用していますが、金型製作における仕上げの工程「鏡面加工」は長年の経験による感覚が必要となるため、積み上げてきた技術の蓄積による手作業で行っています。
今後はデジタル化を進めつつも、磨き上げてきた技術(アナログ)を更に向上させ、より良いモノを作り続けたいと思っています。また、事業を拡大していくためにも従業員の雇用等を行い長期的な視点を持ち事業を継続していきたいと考えています。


ここがスゴい!

非常にニッチな分野でご活躍されている有限会社湖東精密。マイクロレベルのモノづくりに寄せる想いは非常に熱く、大きいものでした!我々の生活を支える「縁の下の力持ち」として今後のご活躍に期待したいですね!(編集部)


長年の経験による感覚が必須!

鏡面加工の様子を動画で紹介します。