中央商店街を1本奥へ入った場所にある藤塚時計店。2代目である姉の岡田眞智子さん、妹の祥子さん、従業員3名と、女性が活躍する同店。「昔はよく喧嘩もしましたが、今はそんな場合じゃないですし、従業員もあわせて皆で頑張っています」と二人仲良く取材に応じていただいた。
昭和7年、大阪で時計の修理技術を学んだ岡田さんの父(先代)が銀座商店街で時計店を開業した。生家のヘアーサロンフジツカの隣である。戦後、母方の実家があった現在の地(中央町)に拠点を移し、時計販売・修理や宝飾販売、貴金属買取など時代の流れに合わせて変革を重ね、今年で93年を迎える。
永く愛される秘訣は
売上の7割を支える宝飾の販売は、現代の冠婚葬祭の在り方やコロナ禍で消費の動向が変化した。しかし結婚指輪・婚約指輪などの注文は回復してきており、家族で代々、様々なライフステージの節目を祝う大切なお店として根強い人気を誇っている。
「代々家族ぐるみでお付き合いが続き、子どもの時から来てくださっている方や、友達や同僚に聞いて……と、口コミでご来店される方が一番多いです。近年では特に、祖母が大切にしていた指輪を、異なるデザインやネックレスなどにリメイクされるお孫さんのオーダーも多く、ご希望に添えるよう相談を重ねながら完成させていきます。これまでの持ち主の思いを次の世代へと繋げていくお手伝いができることは、やり甲斐となっています。モットーは『商売はお客様一番 メーカー様 人とのつながり 大切に信用を得る事』です」。
専門店として、プロのアドバイスと、顧客毎にあわせて親身にお客様に寄り添う姿勢が永く愛される秘訣なのだろう。
また、提供する宝飾や時計は全てメーカー直販体制で純正・天然ものを取り扱っている。現在まで築いてきた信頼関係で、できる限り価格は抑え、他店にはない対応力を実現している。過去には京都のホテルから希少な時計を探していると連絡があった。20ほどの店舗で見つからなかった商品を藤塚で探しだし、届けることができ、大変感謝されたという。
地域のためにできること
最近の子どもはデジタル化によって時計の針が示す時間を読めない子も多い。毎年6月10日(時の記念日)に合わせて近隣の保育園などから、見学を受け入れ、時計のルーツや、からくり時計の解説などを通じて学びの場を提供してきた。この取り組みがきっかけに大人になって来店してくれる方もいるのだとか。
かつては数々の販売店が立ち並び、メーカーとの取引は代理店を通してのやり取りだったが、時代が変わりメーカー直販に変わった。メーカー側も頑張っている地元の小売店を応援してくれ、「取引業者様と地域の皆さんの支えでここまでやってこれています」と岡田さんは話す。
当所実施のSNS活用セミナーをはじめとした様々な取り組みを通じ、当所も同店を支える一助になれていることを直に聞くことができた取材となった。
店舗で取り扱う商品を紹介
一生の思い出を素敵なものにするお手伝いが出来ないかと考え、エンゲージリングをお買い上げいただいたお客様に本アコヤ真珠を贅沢に使用したシルバー製ティアラの無料貸出なども行っている。
人気キャラクター「ひこにゃん」と、虹のかかる彦根城をコラボレーションしたかわいらしいキーホルダー時計。12時部分には彦根藩主井伊家の『彦根橘』を配置し、青空を背景に彦根城から七色の虹がかかる様子が描かれている。
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