彦根商工会議所では、会員企業の景況や経営課題などを四半期ごとに調査する「彦根企業景況等調査」を実施しております。このほど第17四半期(令和7年4〜6月期)の調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
本調査では、当所会員を対象に売上高、仕入・販売単価、従業員・資金繰り等について前年・前期比並びに来期見通しをDI(ディフュージョン・インデックス)値で示すとともに、自社の経営課題等も調査項目にしております。

調査方法:彦根商工会議所会員企業130社にメールまたはFAXによる
調査対象期間:令和7年4月~6月
集計・分析(委託先):中小企業診断士 中川 学 氏
回答企業数:88社(回答率70.0%)

建設業製造業卸小売業飲食業サービス業合計
回答数152415151988
業種別比率17.0%27.5%17.0%17.0%21.5%100.0%

※本調査でのDI(ディフュージョン・インデックス)「増加(好転・上昇・過剰等)」と回答した企業数の構成比から、「減少(悪化・低下・不足等)」と回答した企業数の構成比を差し引いた値である。
※今期(前期比):令和7年1月~3月と比較した令和7年4月~6月の状況
※昨年比:令和6年4月~6月と比較した令和7年4月~6月の状況
※次期:令和7年4月~6月と比較した令和7年7月~9月の見通し

1. 全体の景況等

「業況判断DI(上昇-低下)」は、今期はサービス業を除き、すべての業種を通して回復したが、次期は製造業を除くすべての業種で悪化の見込。「売上高DI」は製造業・卸小売業を除き、落ち込む見込みであり、サービス業の落ち込み予想が大きい。採算DI(上昇-低下)について、次期は製造業を除くすべての業種で落ち込む見込み。「販売単価DI(上昇-低下)」は業種による違いが大きく、販売価格の見直しを重点取組に挙げる割合が大きい。
「仕入単価DI(上昇-低下)」もバラつきがあり、令和7年7月以降の米国関税政策の影響を受ける可能性もあり、注視が必要と見込まれます。
資金繰りDI(上昇-低下)について、次期は製造業・卸小売業を除き落ち込む見込み。従業員DI(上昇-低下)について、次期は製造業を除きほぼ横ばいの見込み。

2. 業種別の景況等

建設業

前期比売上高DIプラスに転じ、業況判断DI、採算DIにプラス影響となったが、次期は当期並みの見込みです。販売単価DI、資金繰りDI、従業員DIもほぼ不変。

その他意見

  • 補助金の存在はありがたいが、申請に手間がかかる。

製造業

業況判断DI、売上高DI、採算DIはマイナス幅を縮小。次期も引き続き好転し、売上高DIはプラスに転じる見込み。販売単価DIおよび仕入単価DIは今期、来期と上昇する見通しです。資金繰りDI、従業員DIはほぼ不変。

その他意見

  • 振込手数料等、仕入先の下請け業者は保護されるが、販売先との関係によっては支払ってもらえないこともある。原則民法で決まっているが徹底できないか。

卸小売業

今期は業況判断DI、採算DIが好転。売上高DIが好転しているが、販売単価DI、仕入単価DIが低下しスケールメリットが出てきていると見込まれます。来期も引き続き売上高DI好転の見込みながら、仕入単価DIの上昇により業況判断DIは悪化の見込みです。資金繰りDI、従業員DIはほぼ不変。

飲食業

業況判断DI、売上高DI、採算DI、資金繰りDIは、今期は好転。但し次期は、売上高DIの悪化、仕入単価DIの上昇により業況悪化の見込みです。従業員DIはほぼ不変。

サービス業

今期は業況判断DI、売上高DI、採算DI共に前期並。次期は売上高DIの悪化が見込まれます。次期は販売単価・仕入単価・資金繰り・従業員DI共にほぼ不変の見込み。

その他意見

  • 短期間で申請・承認・実施のできる補助金・助成金施策があればありがたい。


総括的概要

  • 令和7年4~6月期は、業況判断DIはサービス業を除く各業種で前期の予想通り好転しています。また売上高・採算DIについても全業種で好転しています。
  • 次期は、製造業を除く全業種について業況判断、売上高、採算DI共に悪化の見通しです。
  • 直面する問題点として、原材料費の上昇を上げる事業者が最も多い。
  • 重点的取組や支援を求めることとして、「販売価格の見直し」、次いで「公的資金・補助金の活用」及び「積極的な人材採用・活用」となっています。

景況調査について詳細はこちら


本調査報告は米国(トランプ大統領)関税政策の方向性が見えていない時点で作成しています。

高関税政策が実施された場合、当面の製造業を中心とした輸出に影響が大きいと思われますが、同時に為替の変動により原材料の調達等にも影響が生じる可能性もあるため、全業種について充分な注視が必要と思われます。