彦根商工会議所では、会員企業の景況や経営課題などを四半期ごとに調査する「彦根企業景況等調査」を実施しております。このほど第18四半期(令和7年7〜9月期)の調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
本調査では、当所会員を対象に売上高、仕入・販売単価、従業員・資金繰り等について前年・前期比並びに来期見通しをDI(ディフュージョン・インデックス)値で示すとともに、自社の経営課題等も調査項目にしております。

調査方法:彦根商工会議所会員企業130社にメールまたはFAXによる
調査対象期間:令和7年7月~9月
集計・分析(委託先):中小企業診断士 岡本 香 氏
回答企業数:92社(回答率71.0%)

建設業製造業卸小売業飲食業サービス業合計
回答数152116162492
業種別比率16.3%22.8%17.4%17.4%26.1%100.0%

※本調査でのDI(ディフュージョン・インデックス)「増加(好転・上昇・過剰等)」と回答した企業数の構成比から、「減少(悪化・低下・不足等)」と回答した企業数の構成比を差し引いた値である。
※今期(前期比):令和7年4月~6月と比較した令和7年7月~9月の状況
※昨年比:令和6年7月~9月と比較した令和7年7月~9月の状況
※次期:令和7年7月~9月と比較した令和7年10月~12月の見通し

1. 全体の景況等

(1)「業況判断DI(上昇-低下)」

  1. 今期(R7年7月~9月)
    業種によって異なる結果となり、多くの業種が悪化の見通しの 中、建設業及び製造業が好転しています。また、飲食業について 苦しくなってきていることが伺えます。
  2. 来期(R7年10月~12月)
    製造業を除けば、各業種横ばい、もしくは悪化の見通しです。 また、飲食業については仕入単価DIの上昇要因もあり、引続き 低位の見通しです。
    また、経費増加の要因の1つである、キャッシュレス化への対応支援についての意見もみられました。

(2)「売上高DI(上昇-低下)」

  1. 今期(R7年7月~9月)
    全体として若干落ち込む中、飲食業の悪化度合いが目立ちます。
  2. 来期(R7年10月~12月)
    建設業を除けば、各業種横ばいの見通しです。

(3)「採算DI(上昇-低下)」

  1. 今期(R7年7月~9月)、②来期(R7年10月~12月)
    卸小売業が大きく上下していますが、全体としては横ばいの見込みです。
    飲食業は業況判断DI、売上高DIの予想からみても次期予想は 厳しく、原材料費、人件費、経費の増加の対応策として、販売価格 転嫁を速やかに行えるかどうかがポイントになると思われます。

2. 業種別の景況等

建設業

業況判断DIは採算DIと同数値。次期は業況・売上とも好転するが、採算は悪化の見込みです。
単価DI、資金繰りDI、従業員DIもほぼ若干悪化の見込みです。

製造業

業況判断DI、売上高DI、採算DIはプラスに転じ、次期も引き続き好転、業況判断DIはプラスに転じる見込み。単価DI、資金繰りDI、従業員DIはほぼ不変です。

卸小売業

各DIとも、今期から次期にかけて好転、販売単価は下がる見込みながら、売上高向上でカバーし、採算も好転の見込みです。

飲食業

売上高DIは不変ながら、仕入単価の上昇により採算悪化、業況悪化の見込みです。
経費増加要因としてキャッシュレス化への対応があり、支援を求める意見もみられました。

サービス業

今期は売上高DIが好転し、採算DIにも寄与しましたが、次期は売上高DI、採算DIの悪化が見込まれます。

総括的概要

  • R7年7~9月期は、製造業を除く全業種について業況判断DIが悪化の見通しでしたが、製造業は予想通り上昇、建設業についても好転しています。また、売上高については製造業、サービス業について好転しています。
  • 次期は、製造業は好転の見通しながら、その他の業種については横ばい、もしくは悪化の見通しです。
  • R7年4~6月期の調査で、経営上の問題点として多かった「原材料費、人件費、経費の増加」及び「原材料価格、人件費以外の経費(燃料等)の増加」の問題解決にあたって取られた対応策は全業種を通じて「販売価格への転嫁」となっており、昨今の物価上昇からみても妥当な方策と思われます。また、同じく経営上の問題点として多かった「従業員の確保難」についても全業種を通じて「求人広告の拡大・改善」と「待遇の改善(給与等)」が多く、各事業者の地道な取り組みが必要との認識が伺えます。
  • 前回調査時点で記述した米国関税政策の影響はまだ見えてきていませんが、本調査時点以降に円安ドル高が進んでおり、仕入原価の上昇等、今後の影響が懸念されます。